ここでは、歯科用3Dプリンターの「歯列模型」における活用について、くわしく解説しています。活用する場合の一般的な流れや、活用用途(目的)、実際の活用事例などをまとめました。歯科用3Dプリンターを歯列模型で活用したいと考えている歯科クリニックはぜひ参考にしてください。
上で説明したように、歯科用3Dデータは、歯列模型をデジタルデータ化しておき、必要に応じて3Dプリンターで造形を行うという用途で使用することができます。歯科模型本体の保管が必要なくなるため、それまでの保管スペースをより有効に使えるようになります。
また、歯列模型を患者さんに確認してもらって治療の理解・了承を得るというインフォームドコンセントにも活用することができます。
歯科クリニックでの3Dプリンター導入により、いままでは技工所に頼っていた歯列模型を自院で制作することができます。それも、かなりの短時間で製作が可能ですので、治療時間の短縮も望めるでしょう。このようなことを通して患者さんへのインフォームドコンセントの充実や満足度の向上なども望めるでしょう。
【造形方式別】
自院・技工所に合った
歯科用3Dプリンターを探す
現在臨床では3つの用途で利用しています。1つ目の用途は模型の製作で、口腔内スキャナを利用した症例の場合は調整用の模型を製作します。バイト/コンタクトの調整で実際に活用していますが、確かに石膏模型の感覚と違う部分は多いのですが、今では問題なく利用できています。調整用模型だけではなく顎骨模型の造形もしています。(後略)
参考URL:横糸電歯技研HP公式HP(https://www.dental.form2.shop/case2)まずはレジンの準備です。 レジン液が入っているボトルは使用前にボトルをよく振って顔料を沈殿させないようにしましょう。
レジンバットに入っているレジンを再利用する場合は、柔らかいシリコンスパチュラで底のフィルムを痛めないようにしながら、よく攪拌します。室温が20度以下になっている場合は、エアコンなどで適宜調整してください。低温は出力失敗の原因になります。
次に3Dプリンターの設定です。まず、レジンバットに半分量くらいのレジンを入れます。次にプラットフォームやバットがしっかり固定されていることを確認します。そして、3Dプリンターの電源を入れ、データが入ったUSBメモリを差し込み、出力するファイルを選び、スタートボタンを押して印刷を開始します。
出力中は、1時間ほど放置することが多いので、出力終了時間に合わせて自動で3Dプリンターの電源が切れるよう設定しておくことをおすすめします。
印刷中に異常が発生した場合は、すぐに停止して原因を調べましょう。
上記のポイントを参考に、3Dプリンター出力前の準備と手順をしっかりと行うことで、失敗を防ぎ、高品質な造形を実現することができます。
高品質な造形を実現するために3Dプリンターの出力が完了したら、モデルをプラットフォームから取り外し、洗浄と仕上げを行う必要があります。これらの工程は、造形物の精度と耐久性を向上させるために重要です。
まず、モデルの取り外しです。サポート設定がうまくいっていれば、手で模型を剥がすようにすると外れます。無理に剥がすと破損する可能性があるので、注意が必要です。
次に余剰レジンの拭き取りをします。ティッシュやキムワイプで付着している余剰レジンを優しく拭き取ってください。洗浄は使用するレジンによって、水洗いまたはアルコール洗いをを行います。水洗い可能なレジンを使用している場合は、水で洗浄します。容器に入れて振るだけで大丈夫です。水洗い不可のレジンを使用している場合は、アルコールで洗浄します。
最後はエアーで乾燥させ、光重合器で最終重合を行います。可能であれば、ターンテーブル付きの光重合器で10分以上硬化させると、より均一に硬化します。表面をさらに滑らかにしたい場合は、酸素に触れた部分を覆うように、水を入れた透明容器で重合させるか、グリセリンジェルを塗って光照射器を当てると効果的です。
ここまで解説してきたように、歯科用3Dプリンターを歯列模型の造型用途で活用すれば、「歯列模型の院内保管スペースがいらなくなる」「インフォームドコンセントにも有効活用できる」など、さまざまなメリットを享受できます。業務工程が減ることで、歯科技工士の負担を減らせるのも利点です。歯科用3Dプリンターの導入を迷っている方は、ぜひ前向きに検討してみましょう。
歯科用3Dプリンターには大きく3つの造形方式があります。大型模型を造形しやすいが造形速度は遅い「SLA方式」、スピードとメンテナンス性が良いが導入コストが高めである「DLP方式」、初期費用が安価な分、ランニングコストが高くメンテナンス性が低い「LCD方式」、それぞれにメリット・デメリットがあります。メリット・デメリットをしっかり把握したうえで、自院にとって最もメリットが大きい形式を選びましょう。
プロジェクターで面照射をしていく方式。材料(レジン)に、プロジェクターを用いて面で紫外線照射をしていきます。面で造形していくため造形スピードが速く、高精細で大小幅広いサイズの造形も可能。導入費用は高いもののメンテナンスや消耗品が少なくて済むためランニングコストはあまりかかりません。
SLA紫外線を一点照射させていく方式。レーザーポインターのように紫外線を当てて樹脂を硬化させていきます。1点集中で照射させていくためパワーを出しやすく、装置の大型化もしやすいことから、大型の光造形出力をできる利点があります。一方で、細かい造形には適しない、出力に時間を要するという特徴も。
LCD液晶ディスプレイ(LCD パネル)でDLP方式同様に面で造形していく方式。紫外線LEDライトをバックライトとして液晶パネルに表示させ樹脂を硬化します。面で照射するため造形スピードが早く、イニシャルコストを安く抑えられますが、液晶パネルが紫外線と熱に弱いため出力品の精度が若干甘く、歯科の模型作成などを行う歯科医院向けです。また、液晶パネルを定期交換する必要があり、他の造形形式よりもランニングコストが掛かります。