ここでは、歯科用3Dプリンターの性能に関する選び方について解説しています。選ぶ際にチェックすべき4つのポイントをまとめました。
一口に歯科用3Dプリンターと言っても、さまざまな方式のものがあるため、まずは造形方式を確認しましょう。歯科医療現場でよく使用されているのは以下の3種類です。
材料(レジン)に、プロジェクターを用いて面で紫外線照射をします。造形スピードが速いほか、高精細・なめらかな造形も実現可能。導入費用は高いものの、メンテナンスや消耗品が少なくて済むことなどから、ランニングコストは抑えやすくなっています。
レーザーポインターのように、紫外線を当てて樹脂を硬化させます。1点集中で照射させていくためパワーを出しやすく、装置の大型化もしやすいことから、大型の光造形出力ができる利点があります。一方で、細かい造形には適しない、出力に時間を要するという特徴も。
DLPと同様に面で造形をしますが、プロジェクターではなく液晶ディスプレイ(LCDパネル)を使います。イニシャルコストを安く抑えられますが、液晶パネルが紫外線と熱に弱く、出力品の精度も若干甘いため、模型作成などを行う歯科医院向けです。
また、液晶パネルを定期交換する必要があり、他の造形方式よりもランニングコストがかかります。
それぞれの方式の特徴を把握し、自院のニーズに合う方式の歯科用3Dプリンターを選びましょう。
【造形方式別】
自院・技工所に合った
歯科用3Dプリンターを探す
歯科用3Dプリンターの造形精度とコストは、比例すると言って良いでしょう。そのため、選ぶ際には3Dプリンターを何に使うのかという目的を明確にし、どの程度の精度が必要かを考えたうえで、コストとのバランスを見ながら決めることが大切です。
たとえば、保存していた矯正用平行模型データを復元する目的で積層するだけであれば、精度はそこまで重要ではありません。一方、テックやデンチャーの樹脂を積層するのであれば、精度を重視すべきです。
歯科用3Dプリンターの材料にはさまざまな種類があり、用途に合わせて選ぶ必要があります。一方で3Dプリンター本体は、製品によって対応している材料と対応できない材料がある場合があります。せっかく3Dプリンターを導入したのに、使いたい材料に対応していなかったとなれば意味がありません。必ず、対応材料を考慮して選びましょう。
また、造形サイズも要チェックです。歯科用3Dプリンターのなかには、造形精度や積層スピードを優先して積層面積が極めて小さいものなどもあります。しかし、模型やデンチャーの積層をするならば、積層面積が大きいものを選んだ方が良いです。用途に合わせて、必ず積層面積も確認するようにしましょう。
導入したにもかかわらず、思ったように活用できていないケースの多くが「考えていたより積層時間がかかってしまうため結局使用できていない」というものです。このような事態にならないよう、あらかじめ積層スピードを考慮して選ぶようにしましょう。
なお、スピードを重視する場合にはDLP方式がおすすめです。面で積層するため、クラウン1つであっても、模型をずらりと並べても、積層時間はほぼ変わりません。
歯科用3Dプリンターには多様なタイプがあり、機能(造形精度、造形サイズ、対応材料、積層スピードなど)はそれぞれ異なります。
導入する際には、各製品の特徴をしっかりと把握したうえで、目的・用途に合ったものを選ぶようにしましょう。
歯科用3Dプリンターには大きく3つの造形方式があります。プロジェクターで材料を一括照射する「DLP方式」、紫外線をレーザー光として一点照射する「SLA方式」、液晶パネルをマスクとして使い、UV LEDの面光源を一括照射する「LCD方式」、それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握したうえで、自院にあった歯科用3Dプリンターを選びましょう。
| DLP | SLA | LCD | |
|---|---|---|---|
| 光源 | 面光源 (プロジェクター) |
点光源 (レーザー) |
面光源 (液晶パネル) |
| 造形速度 | 高速 | 低速 | 中速 |
| 造形エリア | 制限あり | 拡張可能 | 拡張可能 |